リジッドの味わいを楽しみにしているので当然オリジナルのままです。ただ、デフにつながる長いA型のブラケット部分の強度が不足しているとのこと。チャップ師匠はデフ側にワッツリンクを組み込み予定にされています。さて-----
アーリー ケータのリアーはリジッドのホーシングと写真のようなショックオブソーバーとスプリング、ラテラルロッドのシンプルな作りです。
ただ、この個体はチャップ師匠お勧めのビルシュタインを使っています。左のサイドパネルに発見した誇らしげなエンブレムです。ところが、分解してよく観察するとスパックスのショックでした。仕方ないので、AVOのホームページで調べてデーモンに注文しました。ケーターハムのホームページには憧れのビルシュタインがアイバッハのスプリングとともに掲載されていますが、とても高価です。
AVOのショックはライブアクスル用は1種類しかないので選択枝はありません。ついていたショックと比較した写真です。ディメンジョンに違いはなさそうで安心です。 備忘録として、ケースの長さ(ケース上端から下の取り付けブッシュの中央まで)245mm、ちじんだ状態(バネが当たる取り付面けから下のブッシュ中央まで)250mm、伸びた状態(同じ条件)410mmでした。
スプリングは選択枝が沢山ありますが、まずは柔らかめの レート 150ポンド 自由帳 12インチを選択しました。写真右は装着した様子です。
ホーシンフを綺麗にします。車体から降ろす時はとてもヘビーで、一人では無理です。また、横方向に抜くようになるので、作業スペースが沢山必要です。
既にブレーキドラムやデフがはずされています。このホーシングはフォードのもので、セブンではマリーナ製やイタル製があるようです。正式名称は、フォード イングリッシュ ライブ アクスルと言うらしいです。ホイールシリンダーの取り付けなどが異なるので注意が必要です。初期のエスコートと同じ部品です。
ホーシングそのものは再塗装を行います。粉体塗装を行うため古い塗装や錆を落として準備します。
なべちゃんに指導していただきながら、不要なステー(かつては板バネの取り付け部であった由)とAアームの取り付け部の修理が不十分であることを認めたためそのブラケットを取り除きました。
すぐに塗装に出るのかと思いきや、デフオイルのドレーンプラグを新設し、取り除いたAアーム用のブラケットを作り直すためしばらく作業が続きます。なべちゃんと二人がかりでブラストしました。
粉体塗装から帰ってきました。とても美しい仕上がりです。
リアーのAアームはおそらく不適切なジャッキアップにより曲がっていたので修正して使う予定でしたが、ホーシングとの連結部分をブッシュから”スフェリカル”と呼ばれるピロ ポール様の連結に変更し強度を上げる方針となり、結局、全部作り直しになりました。右の写真は念のため曲がりを修正してブラストしたオリジナルのAアームです。ナベチャンは改良型でもオリジナルでも取り付けられるようにブラケットを作ってくれました。
いずれにしても、この時代のセブンはこの部分が弱点で、改良せずに無理な運転をすると、まずこの部分が破損し、最悪はホーシングの固定が外れ、プロペラシャフトが暴れる事態になる由。この個体も随所にその傷跡があり、例外ではないことがわかります。
曲がりの強い部分の拡大とホーシングへの接続形式の候補を示します。スフェリカルと呼ばれる丸い接続と見慣れたピロポール、シャーシへの接続部分のカラーです。
写真右はノーマルのAアーム側を示します。この部分にブッシュが入り、ホーシングのブラケットにつながります。
写真左はこの部分の改良のためになべちゃんが用意した、ダラーラF3用のサスペンションです。さて、どのような改良がなされるのでしょうか?
その後、この時代のセブンにSタイヤなどのグリップの高いタイヤを履かせてシャーシに負担をかけながら走るのは良くないとの忠告を受け、ブッシュをナイロンで作り、オイル漏れに対するブッシュのへたりに注意すること、タイヤはあまりグリップの高いものを選択せず、後輪が滑るのを楽しみながら、シャーシに負担をかけないような走りを会得することで対応する方針としました。
写真右は、ということでシャーシに搭載されたAアームです。
写真左はホイストの力を借りながら、なべちゃんと2人がかりでホーシングを搭載する作業の途中の状態です。
リジッドのセブンのリアーサスペンションは一言で表現するとホーシングをどのように固定するかということになります。上下方向は写真左のようにショックで吊り下げられています。
前述のAアームで左右の位置が固定されます。
ラジアスアームは特に問題ないのでそのまま使います。古い塗装を落として粉体塗装に出します。ラジアスアームのブッシュはエラン用の大きいのと同じものと、それよりかなり小さなものです。エラン用は手持ちのものを流用し、小さい方はなべちゃんに作ってもらうことにしました。
右はブッシュが入り、シャーシに取り付けた状態のラジアスアームです。現状で自由端となっている部分がホーシングに接続され、ホーシングの前後の動きをを固定します。
写真左は前からラジアスアーム 上からショックがホーシングのブラケットに接続される直前を示します。
右は完成図。
全部組み立ててみて問題が発覚。ショックの全長が2cm程度長いのでホーシングが最も下がったとき(車がはねたとき)に、下がりすぎてトンネルの床とフロペラシャフトが当たることが判明しました。実は、実車には既に沢山の当たった跡が残っており、以前のセッティングも同様の問題があったと思われました。費用は追加になりますが、スペシャルでショックのシャフトを2cmカットしてもらい、ネジやスプリングストッパーの溶接もやり直してもらいました。足回りのセッティングは微妙であることを痛感させられました。
右の写真は、加工が終了し塗装しなおしている様子です。