サスペンション-1  工事

フロント アッパーアーム

   アーリー ケータのフロントは”Iアーム”にスタビで一見”Aアーム”に見えます。

フロント フロント

(アーリーケータのオリジナルフロントサスペンション)

 この状態でサーキット走行などを試みたことがないので私にはわかりませんが、チャップ師匠によると、バンプステアーが高度でとても走りにくいそうです。実際、より新しいケータには”Aアーム”が採用されています。

改良 改良

(改良)

 チャップ師匠の改良に習って、Alligator 号にも改良を加えます。写真左はAアームに改良する場合の前側の取り付け部の工夫の様子です。後ろ側の取り付けはオリジナルのままとし、そこから車の軸に平行に前方へ仮のアームを出し、スタビの取り付け部を改良して前側のアームのシャーシへの取り付け部とします。
 写真右はアライメントなど微調整が効くようにピロポール化した新しいAアームです。

改良 改良

(改良)

 新しい取り付け方法を示します。前後をつなぐバーは仮のもので、完成時にはなくなります。新しいスタビは元の取り付けの下半分を利用して取り付けるそうです。
 書くと簡単ですが、写真右のようにパイプを切り出して次の写真のように治具にセットして仮溶接、確認して本溶接の作業を行います。
 写真右はこのアームのために作製したブッシュ用のカラーです。

改良 改良

(改良)

改良 改良

(改良)

 実際に取り付けた様子です。
 実はロアー アームを変更したので、それに伴いキャスター角がかなり強くなり、アッパー アームも作り直しています。キャスターを強くしているのはケーターハムの設計思想の変更によるものです。
 写真右はこのアームのために作製したピロ ポール用のアップライト側のねじを示します。なべちゃんの手製です。

改良 ボルト

(改良)

 これらはブラストして粉体塗装に出します。写真右はアッパーアームの先端の特殊なボルトがメッキから帰ってきた様子です。

フロント ロアーアーム

ロアーアーム

(ロアーアーム)

 ロアーアームでも少しショックなことがありました。左は軽く事故した跡があり、わずかですがアームが曲がっていました。なべちゃんに修正してもらって使うことも可能でしたが、新品を奢ることにしてケーターハムのホームページで購入したのが写真左です。
 袋に入っているので分かり難いですが、最近のライブアクスル用は補強が入っています。私のシャーシにこのパーツを取り付ける場合には前からさし込んで後ろ側をかなり無理して差し込む作業となり、そのため前側のブッシュは半割れのものを用い、アームもも少し無理をして開いて入れます。補強があると開かないので作業はかなり困難になります。更に、この新品パーツにはブッシュがはじめから入っていて半割れではありません。すなわちライブアクスルといってもフロントのロアーアームの構造はかなり変化していて、おそらく、このパーツは前側は貫通ネジでシャーシに固定する方式用と考えられました。困りました。解決策をなべちゃんにお願いするしかありません。

フロントロアーアーム 

(フロントロアーアーム)

 なべちゃんがブッシュなど改良して何とか取り付けてくれました。

フロント ショック スプリング

フロントショック フロントショック

   ショックはAVOがライブ アクスルのセブン用に作っているもので、これ以外の選択肢はありません。
 スプリングは自由に選択できます。ヤフオクで出品されている方のデータを見ると、フロントのレートは200ポンド 自由長 8インチで、やややわらかめとのことでしたので、エンジンの出力が上がることを考えて、フロントのレートを250ポンドに変更して注文しました。
 実は、この作戦が失敗でした。足の設計を変更したこともあり、メーカーおすすめのパーツがそのまますんなりと取り付けられると考えたことが甘かった。ショックはシャフトが約1インチ長すぎることが判明、急遽、加工屋さんにてシャフトを加工してもらいました。従って、スプリングも1インチ短いものが必要。次回はショックのボディなど1インチ短いものを注文すべきと反省。

 備忘録として、ノーマルのスパックスのショックは、ケースの長さ(ケース上端から下の取り付けブッシュの中央まで)182mm、ちじんだ状態(上下のブッシュ中央まで)215mm、伸びた状態(同じ条件)310mmでした。

組み立て 組み立て

(組み立て)

   以上のパーツをいよいよ組み立てます。
 スタビをJPSセブン用の太いものと交換するため、そのクランプを新調したり、スタビのロアーアーム側の取り付けのためピロポールを頼んだり、忙しくなりました。
 写真右は入手困難なブッシュをナイロンの棒から削り出して作製している途中です。なべちゃんが作ってくれたブッシュの方が市販品より高性能です。

スタビライザー

スタビライザー スタビライザー

(スタビライザー)

   スタビライザーもノーマルよりかなり太い、JPSセブンからのものに交換しました。
 前述のごとく、クランプもブッシュも新調しアッパーアームの取り付け部に工夫して取り付けています。
 スタビタイサーの取り付けも工夫が必要でした。スタビライザー本体の両端にM10のネジが切ってあるのを利用してM8に変換しM8のピロポールを導入しました。

スタビライザー スタビライザー

(スタビライザー)

   アルミの棒にネジを切り、下側のステーとの間に介在させます。
 下側のステーはスエアリングを切ったときにスタビライザーに当たらない位置を探し、ショックの下側の取り付けとアップライトの下側の取り付けからA字型に取り出し、ピロポールを介在させ取り付ける設計となりました。

スタビライザー スタビライザー

(スタビライザー、ブラケット)

   特注のブラケットは角を落として美しい仕上げに。

アップライト、ハブ

アップライト アップライト

(アップライトとハブ)

 アップライトはブラストして粉体塗装に出しました。
 ハブはベアリングを入れてたっぷりリチウムグリースを入れ、ステアリングアームやトラニオンを取り付けました。この作業で驚いたのは、ベアリングのグリースのシールはフェルトであることでした。

アップライト アップライト

(組み立て)

 メッキから帰ってきたブレーキディスクやキャリパーとアップライト、ハブを組み立てました。
 ハブがアップライトに固定されているのは、大きなネジと割りピン1本であることが驚きでした。ネジを含めほとんどすべてのパーツを新品同様にしましたので、とてもきれいです。

アップライト アップライト

(組み立て)

 フロントサスペンションが決まってきたのでアップライトが取り付けられるようになりました。右は完成図。

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その2
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